【開催報告】2024定時総会・講演会・懇親会 インテック会長北岡隆之氏が講演
タイムスケジュール
16:00~16:37 定時総会
16:45~17:50 講演会
18:10~19:30 懇親会
19:50~21:30 2次会
・北岡 隆之 1984商卒 株式会社インテック 取締役会長
・後藤 琢也 同志社大学 副学長・研究開発推進機構長
・西口 和哉 同志社大学 学長室募金係長
・長谷川正治 1969経済卒 同志社校友会 副会長
・山﨑 真 1994商卒 同志社校友会新潟県支部 支部長
・橿尾 輝之 1978経済卒 同志社校友会福井県支部 支部長
・下家 茂 1977法卒 同志社校友会福井県支部 副支部長
・石田 達也 1986文卒 同志社校友会福井県支部 副支部長
・中田 浩一 1983経済卒 同志社校友会石川県支部 副支部長
・鷺池 誠一 1993経済卒 同志社校友会石川県支部 常任理事
・岩浅 洋平 2015法卒 同志社校友会石川県支部
16時から開始となった定時総会は、河合常晴支部長(1988商卒)の挨拶から開始となりました。阪神・淡路大震災(1995)に始まった「臨時災害放送局」制度について、この1月に発生した「能登半島地震」では自治体からの開設要望がなかった理由の一つとして「スターリンク」の活用にあったことから、ICT技術が我々の生活に変化や影響を及ぼしていると紹介し、続く講演会への興味を引き立たせる導入となりました。続いてご来賓の皆様の紹介を行い、代表して長谷川正治同志社校友会副会長よりご挨拶を頂戴いたしました。4月から大学が小原克博学長による新体制に入り、校友会・松岡敬会長との対談がYouTubeの「学長チャンネル」で公開されていること、これまで以上に大学と校友会との連携が進んでいることが紹介されました。また、代読いただいた松岡会長のメッセージにおいて、校友会の目的は会員の親睦と母校の発展に寄与することであり、そのためにも学生の皆さんに同志社で学んでよかったという思いを持っていただけるよう、学生への支援を続けていきたいとのお話がありました。先のコロナ禍より始まった困窮学生向けの支援継続のみならず、来る翌年の150周年に向けた募金活動についてもご案内がありました。
その後、河合支部長が議長を務め議事に入り、「第1号議案 2023年度活動報告及び収支報告承認の件」「第2号議案 支部役員改選の件」「第3号議案 2024年度事業計画(案)及び予算(案)承認の件」について、福田可也監事(1977法卒)の監査報告と共に、順次説明がなされました。河合支部長はこれで1期2年の任期が満了となったところですが、各所への相談や役員会議等を経て、2期目継続にて審議に付され、支部域を離れることとなった幹事2名を除く副支部長以下の役員の留任を含め、原案どおり可決となりました。
休憩を挟み、株式会社インテック取締役会長である北岡隆之氏(1984商卒)より、「ICTの進化と共に」と題してご講演をいただきました。インテックと言えば富山発祥の大企業。そのトップから最新のお話が伺えるとあって、参加した会員一同興味津々の時間です。
同社は1964年に富山市で発祥した、紛れもない県内発の企業ですが、北岡会長は兵庫県のご出身。意外にも、大卒後すぐにインテックに入社された、生え抜きの社員でいらっしゃるとのこと。
テレビドラマの「どてらい男」で田村亮さんが演じた尾坂昭吉というキャラクターに影響を受け(主役に、ではない!?)経理マンに憧れて商学部を選択されたこと、学生時代は同志社放送局で活動をなさったこと、田辺移転反対の機運が高まっていたこと、そうした団交の場において当時の松山学長がお一人で冷静に対応されていたことなど、若かりし頃の導入から入られ、当時の同志社に思いを馳せつつ、一同お話に引き込まれて行きました。
放送局の活動から、自分の考えを持ち、互いを尊重する関係性の中で議論し思考を作ること、また本当にそれが自分の意見なのかを考えることを身に着けたと仰り、学生時代の経験をその後のご活躍にも存分に活かされたのかなと感じ入るばかりでした。
ご入社されたのはインテック創業から20年経った頃。創業者である金岡幸二氏の方針で、社員全員が技術職を経験し昇格試験を通る必要があったとのことで、最初は配置薬企業のハンディターミナルを使用した営業システムに携わられたとのこと。当時は株式欄に「通信」という業種はなく「サービス」の中に入っていたと伺うと、それから約40年、時代は随分と変わったなというのは、一定の年齢以上であれば誰しも実感するところ。そうしたICTに関する時代の変遷、機械やネットワークの発達から、インテックの企業紹介動画を挟んで、今後の展開についてもお話いただきました。
AI、人口知能と言われるものについてはブームがあり、第1次は1960年代に人口知能が誕生し、パズルを解くなどを始めた頃、続く第2次は80年代後半で、情報を蓄積させ、それを活用して医療診断や株価予想を行うエキスパートシステムの時代、そして今がまさに第3次、ディープラーニングなど、私たちの生活の中にもAIが入り込んでいくだろうという時代とのこと。
現在は、例えば金融機関向けの営業支援や分析を行うシステムや、スポンサードを行っている日本体操協会のトランポリン部門へのAI活用し、「動き」を可視化することで改善点などの発見に繋がるプログラムの提供を行っておられるそう。特にこうした「動きの可視化」という部分は、製造業において熟練の技術者が減っていく中、「匠の暗黙知」、すなわちベテランの職人が作業中にどう動いているか、という部分の伝承支援にも転用を図って行かれるそうです。
AIで仕事がなくなる、といった記事などを目にすることも増えてきましたが、少なくとも当面の間は、自分の疑問を解決しやすくなる、マニュアルを探しやすくなる、或いは標準的な手順を守っているかの確認を自動化することでミスが防げるなど、こうした最新の技術を毛嫌いしたり恐れたりすることなく、積極的に取り入れることで、自分たちの仕事がより効率的で安全なものになるのでは、という実感がわくお話でした。
そして、現在話題の「DX」については、個別業務のデジタル化を指す「デジタイゼーション」、業務の一連のフローを見直し、RPAやIoTなどを取り入れた「デジタライゼーション」、そしてデジタルを使って新しいビジネスを起こす「デジタル・トランスフォーメーション」の3つが混在しているとのこと。団塊の世代が75歳を迎える2025年問題がそこにある現代、プライバシーやセキュリティも含めたAIへの脅威もあるとされながら、そのメリットについては活かしていくべきと話されました。ところどころにユーモアも交えた分かりやすいお話で、拝聴した会員へのAIやDXといった最新の技術・ビジネスへの理解も深まったように思います。
ご講演後、恒例の記念撮影を挟んで別室に移動し、懇親会となりました。
懇親会の開会は、再度河合支部長の登場です。先ほど北岡会長のご講演で出たばかりの「2025年問題」を引き合いに、同志社の2025年問題として、来る150周年、図書館とスポーツコンプレックスの建設、というトピックを紹介され、続く後輩のためにいいものができれば、との祈念の挨拶となりました。
引き続きご来賓を代表して、後藤副学長よりご挨拶をいただきます。宇宙がご専門とお聞きする後藤副学長ですが、「宇宙の話を聞いていたが、理工学部の環境システム学科というところで・・・」と切り出され、月に人が住めるようにするため月面の砂から鉄やアルミなどの素材を抽出する、対して福島の汚染土からセシウムだけを抽出し、無害になった土の温度差で電気を作る研究をしていると、宇宙と環境に結び付いた、これまた最新鋭のお話を聞かせていただきました。こちらも深くなれば難しい内容かと思いますが、ご挨拶の枠のお時間しかないのがとても残念で、ぜひゆっくりとお伺いできる機会があればと感じました。
そうしたご研究のお話のみならず、副学長からも、小原学長の校友会への考え方についてお伝えいただき、校友との距離を近くし、対話することを重要視しておられること、地域社会のハブとなるべく、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業への応募を予定しておられることなどもお伺いすることができました。また、新島先生は「大学が完成するには200年(300年の説も)かかる」と仰っていたとの言葉を紹介され、今後も母校を見守って欲しいとのお言葉がありました。
お待ちかねの乾杯は、今年も愛知県からお運びいただいた太田一良先輩(1957商卒)のご発声。なんと来年卒寿をお迎えになるとのことですが、相変わらず矍鑠としておいでです。富山支部に加入されている理由をお話しくださったあと、ご入学の頃に奨学金制度があり、それを活用して無事に卒業できたとの思い出を話され、それで同志社には恩義を感じており、できるだけ協力していきたいと、我々後輩一同へも母校への一層の愛着を促すよう熱く語られたのが印象的でした。
暫くの歓談ののち、初参加会員5名からの自己紹介を経て、恒例のカレッジソングとチアー、また昨年から参加の元応援団員・坂本洋さん(2008工卒)のおかげで「エール」まで付いたスペシャル版で盛り上がりは佳境に。(なお一部テーブルでは、石川県支部よりご臨席いただいた、母校の有名合唱団・こまくさ出身の岩浅洋平さん(2015年法卒)の響き渡る美声に聞き惚れておりました)
最後は坂本博顧問(1983商卒)より、小原学長のお言葉を受け、創立200年を迎えるには来る150年をしっかりと母校のために、との中締めの挨拶がございました。その150年の年、3月15日には福井県で同志社フェアが開催されるとの、橿尾輝之福井県支部長(1978経済卒)からの飛び入りアナウンスも入り、同じブロックの仲間として、また富山でのフェアにご来場いただいた恩返しとしても盛り上げていこうとの坂本顧問の言葉に、参加した会員一同大きな拍手で賛成の意を表し、和やかに終了となりました。